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少年時代


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仕事帰りに見た、
駐輪場にある1つの放置自転車。

前も後ろも、
もう直せなくなるまで
修理をし続けたボロボロのタイヤ。

限界を超え、ホコリをかぶった、
もう動けないそのくたびれた姿に心が痛み、
たくさんの思い出達が頭をよぎる。

出会いは小5。
足のつかない、子供用じゃない
でっかい自転車に憧れて、
無理して買ってもらった自分専用のでっかい自転車。

嬉しくて嬉しくて、
毎日毎日どこにいくにもその自転車と一緒。

すぐ近くの駄菓子屋にいくのも、
友達と公園にいくのも。

時には橋を渡って隣町の
変わったお店に出かけたり、
無料の渡し船に乗って、
対岸にある人気のない未知の町の探検にいったり。

中学、高校になってからもその自転車との付き合いは続き、
まだめずらしかったMDを聞きながら夏は汗だく、
冬は凍えそうになりながらも自転車通学。

部活終わりの夜中の下校は、
知らない道を通って2時間ぐらい
ブラブラ探検しながらよく帰宅したもの。

乗りなれたこの自転車だと、
不思議と疲れを感じない。

友達と5時間かけて河内長野の友達の家に行ったり、
卒業式の日も、
その友達の家から朝4時前ぐらいに自転車にまたがり出発。
深い闇と激痛の走るような凍える寒さの中、
春木の墓参りを経由して朝マック、そして学校へ。
卒業後はその自転車で九州まで冒険、
そのまま自転車と一緒に船で沖縄まで。

浪人中も気分転換に難波の予備校まで自転車でいったり、
夕日が綺麗な日には近くの海まで写真を撮りに行った。

大学になってからも
2人乗りデートで地元の桜を見て回ったり、
大阪城公園まで遠出、
この自転車で色んなところに連れてった。

何度も何度も盗難にあうものの、
最後には必ず戻ってきてくれた自転車。

何度ボロボロになっても、
新しいチャリ買ったほうが良いといわれようとも、
高い修理代だして直した自転車。


10年分のそんな思いがよみがえって、
あの頃はあんなに元気だったのに、
今はもうくたびれてしまったその自転車が、
とても悲しくて、いとしくて。


かぶったホコリを払う。


もう、
コイツに乗ること、できないのかなぁ。。
そんなことを思いながら、
自分の足で歩いて家に帰る。

歩く僕の後ろから、

「もう、一人で大丈夫だろう?」

そんな声が、 聞こえた気がした。



少年時代よ、さようなら。












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