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キャッチボール

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お盆休み。

今年も山田と小渕で、春木の墓参りに来た。

まだまだ山田や小渕とも面識が少なくて、
お互い呼び名も山田君、小渕君、と、
君付けだったあの頃から、
気づけばもう7年が経った。

山田はもう社会人だし、
小渕なんかは野球を辞めてからだいぶ体に肉がついてきた。
俺も、来年からはテニスインストラクターとして働くことになっている。

みんなあの頃からは想像できるようで、
想像できない、色んな風に変わってきた。

墓を洗い、発泡酒じゃない缶ビールをそなえ、
山田が線香に火をともす。

今日は少し曇っているけれど、
春木の墓参りに来る日は空が綺麗な日が多い。

しばらく墓地のはずれで空を眺めていると、
ふいに、
すぐそこに春木が立っている、そんな気がした。

一緒にキャッチボールした想い出が蘇る。

ボールも、グローブもないけれど、
あの頃と同じフォームで、
そこにいる春木と、キャッチボールをしてみる。


ビシュッ!!


Tシャツがねじれ、音がはじける。


あの頃は今よりも非力で 軽かった球も、
7年生きた分、少しは重くなったやろ?


バシッ!!


と、
良い音出して、あの笑顔で、
簡単そうに取ってくれたような、そんな気がした。




雲間から、光が差し込む。








その夜聞いた
春木が好きだったミスチルがいつもより心に染みたのも、
クソ暑い真夏なのに 、
夜は涼しい風が吹いてくれたのも、
墓参りいくときはいつも空が綺麗なのも、
春木のおかげなんかなって、
思ったりする。


春木はまだ、
みんなの心の中で生きている。


ずっと。ずっと。





2007年、8月某日。









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